無事に退院、帰還

本日、無事に退院しました。長かったような、短かったような。とりあえず、ホッとしている。担当医と看護師さんにお礼を述べて病院を後にしました。そういえば、ホスピタリティという言葉は、救貧院(ホスピタル)から来ているな、と。

 

入院前に、色々な人から、「院内ではスタスタ歩けても、シャバに戻った途端、全く歩けなくなるからね!」と言われましたが、至って普通に歩けました!

荷物は旅行用のキャリーケースに詰めたので、駅までエスカレーターやエレベーターを駆使してバリアフリーを選んで歩き、身体への負担を最小限にしました。また、病院から最寄り駅の都庁前の地下道には、通行人が日曜日は殆どいません。自宅までの乗り換えも1回で済んだので、JR新宿駅の喧騒を完全に回避し、スカスカの電車で自宅に辿り着きました。

 

喉は相変わらず違和感があります。少し食道が狭くなったような感覚がありますが、今のところ大きな支障はありません。声は興奮すると裏返りますが、あれだけの手術をしたので及第点だと思います。首はツッパリ感はまだ残ります。ただ、大掛かりなリハビリをするほどでもない感じです。首の伸展は1ヶ月間禁止されているものの、凝り固まって動かない部位はありません。

 

甲状腺乳頭癌の場合、術後は抗がん剤による化学療法はありません。これが、予後が非常に良いと言われている理由の1つです。その代わり、亜全摘出により甲状腺機能が半分以上失われたため、チラージンという薬を毎日飲み続けます。甲状腺機能であるホルモン分泌を補う薬です。気になる再発率は、1割未満と言われています。10年間の経過観察が必要になるので、これからもずっと付き合っていくことになります。

乳がんや脳腫瘍や肺癌や悪性リンパ腫などは、転移や再発防止のため、手術後に何回かのクールに分けて、抗がん剤を投与することになります。手術自体よりも、この抗がん剤による副作用、特に、脱毛や吐き気などが非常に長く、しんどいと言われています。医学の進歩で、今後は抗がん剤の副作用の伸展を期待したいです。

 

術後の回復は順調で、思ったよりもサクサクと歩けたため、本当に癌だったのか、未だに実感がない。おそらく大腸癌や肺癌や婦人科系の癌や、その他消化器系の病気よりも、首は身体への負担が少なかったのだと思います。また、私の手術内容は、サイトなどで調べた限り、非常にベーシックなオペだったと思います。腫瘍が声帯の神経である反回神経に巻きついていたり、食道や気管を圧迫していたりすると、もっと大手術になります。

あくまでも私の憶測ですが、若手の医師が教科書的な基礎を学ぶには分かりやすいオペだったのではないかと思います。大学病院なので、何らかの研究対象にはなっていると思われます。

 

しかし、油断せずに、健康に留意しながら毎日無理せず生活していきたいと思います。