見舞客の友人からいただいた漫画

病室の隣りの高齢女性の息子がやって来た。余計な一言などがない気の利く明るい息子さんで、無事に母親を連れて帰った。話もややこしくこじれず、スムーズに外泊手続きがなされて良かった。同じ兄妹でこんなにも違うということはままある。あの50代の娘は、看護師や医師や親に口先ばかり理路整然と話してはいたが、結局何も役に立っていなかった。

 

仕事が大変お忙しいらしい同業者と思しきの50代の娘は、話を聞く限り、未だに嫁に行かずに私と同様実家住まいのバカOLだ。私は同族嫌悪しているのか。 

 

昨日は従姉妹とワイン仲間の友人がやってきた。

見舞いで友人から「深夜食堂」という漫画をいただいた。新宿の花園にある場末の深夜営業のめしやで繰り広げられる小さなドラマの数々。

ドラマ化、映画化もされたようだ。丁度、バルザックゴリオ爺さんを病室で読んでいたので、人物再登場の表現や場末感との親和性が高く、ハマった。

 

みんな、色々なものを抱えて生きている。

 

そういえば、何年か前に従姉妹が子宮筋腫で入院した時、何も考えずにとにかく見舞いに行った。当時彼女は映画関係のサイト編集者だったので、関連本を携えて病室を訪れた。確かフランス映画評と写真集だった。従姉妹は大変その本が気に入ったらしく、今回も真っ先にそれを思い出して駆けつけてくれた。

私は病気になっても相変わらず、何も学んではいない。それでも、情けは人の為ならずということを、骨身にしみるように感じるようになった。 

深夜食堂(1) (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂(1) (ビッグコミックススペシャル)

 

この病院も、新宿だ。真夜中はサイレンの音が聞こえる。

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