甲状腺癌の病院の選び方

私は甲状腺腫瘍なので、他の臓器の腫瘍は軽く勉強したに過ぎず、情報量が少ない。

しかし、全臓器に言えること、共通していることは、癌治療は情報戦であるということだ。国立がん研究センターなどの公式サイトにも、一番大事なのは情報戦であると記されている。正しい医療知識を取捨選択できるリテラシーのことだ。

 

甲状腺に関しては、甲状腺乳頭癌の標準治療は確立しているため、あとはどの病院を選ぶか?、になる。甲状腺疾患では、病院選びは実は困らない。東京は青山の伊藤病院、関西は神戸の隈病院が専門病院として、実績が極めて高い。この2大病院が医師、医療ともにダントツだろう。

蛇足になるが、私が今回、甲状腺乳頭癌の超早期発見に繋がったのは、伊藤病院出身の外科医長だった医師が独立開業したクリニックに通ったからだ。当初は先にバセドウ病が発覚し、地元の総合病院で診察を受けていた。しかし、ネットで詳しく調べていくうちに、総合病院はかなり雑な診察しかやらないことがハッキリした。そして、転院した。

 

この文脈だと、私の手術は伊藤病院のように思われるが、最終的には別の病院にした。理由は手術が今年の年末か年明けになるとのことで、その間半年以上も癌の告知をされながら毎日を穏便に過ごせるほど私はメンタルが強くない。クリニックの先生の推薦で、伊藤病院と同等のクオリティの病院を紹介して貰った。大学の先輩らしい。主治医の先生は、非常勤で伊藤病院でも診察をしている。

 

以下、病院選びの目安。

①年間手術件数

年間300件以上手術があれば、毎日のように医師は手術をしている。これが一番大事である。週1程度の手術件数の病院では危うい。

 

②最新設備がある。QOLに配慮できる。

命だけ助かり、術後の日常生活に支障をきたすケースもあるという記事はネットなどで目にする。術後の生活水準や抗がん剤の後遺症などをきちんと説明しない医師や病院は避けるべきだろう。また、最新の設備が備わっているかどうかは、腫瘍を完全に除去できるかどうかという尺度が目安。

 

③標準治療の5年生存率を病院のサイトなどで開示している。

参考までに、臓器別5年生存率の記事をリンクしておく。

https://mainichi.jp/articles/20170809/k00/00m/040/172000c.amp

甲状腺癌は、5年生存率はほぼ100パーセントのため、10年生存率で経過観察する。高齢者よりも現役世代の女性が圧倒的に多い。男女比は約1対5である。

 

甲状腺癌のブログを読むと、20代後半〜50代後半の女性が一番多い。特に30代半ばで乳幼児を抱えて手術した女性や、甲状腺癌手術後に無事に妊娠して出産した女性、20代で手術した後に結婚し、出産した女性など、かなり勇気付けられた。

私は独身だけど、人生諦めてはいけないと、ブログを読んで涙した。また、入院中のシートマスクによる顔パック、術後のダイエット、術後の傷口をスカーフで隠すオシャレなど、女性ならではの記事も参考になった。

 

もちろん、チェルノブリや福島原発甲状腺癌に関する偏見やデマも目にした。特にデマ記事は確実に判断できるようになった。

例えば甲状腺癌になったら妊娠できないというのは、真っ赤な嘘だ。

 

乳がんも、前立腺癌も、早期発見、早期治療を正しく行えば、9割以上生存する。免疫療法や民間療法などに変に走らないことが肝要だ。

 

私もこの年齢で甲状腺が全摘になる可能性を示唆された時、大事な臓器をそんな簡単に摘出されてたまるか!と憤りを感じた。その時、民間療法の可能性も調べた。そんな矢先に、小林麻央さんが民間療法に頼り、あっけなく無くなった。また、手術予定としては半摘で済むので、意を決して手術に臨むことにした。

 

④標準治療以上の術式があり、その生存率が高い

これは、甲状腺以外の、例えば悪性リンパ腫白血病などで、非常に重要だ。私の症状は標準治療以上でも以下でもないので、今回は該当しない。